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余録

旧ソ連時代の小話という…

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 旧ソ連時代の小話という。くぎの出た椅子に座らされたロシア人は怒って椅子を蹴飛ばした。ウクライナ人はそっとくぎを抜いて持ち帰った。ベラルーシ人は一瞬腰を浮かせたが、「仕方がない」とまた座った▲ベラルーシ人のがまん強さ、従順さをからかっているのだ(「ベラルーシを知るための50章」明石書店)。同書はベラルーシ人の国民意識の薄さを表す「トゥテイシヤ」という言葉を紹介する。「この土地の人」といった意味である▲昔、あなたは何人(なにじん)かと聞かれた農民が「この土地の人」と答えたのだとか。国民意識の薄さは、今や国家主義や排外主義とは無縁の開かれたアイデンティティーとして再評価される。そのがまん強く、自己主張せぬ国民が怒ったのだ▲26年間ベラルーシに君臨するルカシェンコ大統領が6選された選挙の不正を追及する国民の抗議運動である。だが政権は弾圧の構えを崩さない。欧露のはざまにある同国の混乱は6年前のウクライナを思わせ、国際的な波紋が広がる▲欧州最後の独裁者といわれるルカシェンコ氏だが、近年は経済停滞で国民の支持を失っていた。コロナ禍での「ウオッカを飲めば治る」などの言動はそのとどめとなった。欧州連合(EU)は選挙不正や市民弾圧を厳しく難じている▲ただ政権に抗議する市民が必ずしも反露派ではないという。欧露に色分けされぬ「この土地」の反独裁運動といえばいいのか。ここは欧露が連携して、トゥテイシヤの政治秩序再建を応援してもらいたい。

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