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余録

感染症などの侵入を防ぐ検疫を英語で…

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 感染症などの侵入を防ぐ検疫を英語で「quarantine」という。イタリア語の「40」が語源で、かつて伝染病の上陸を食い止めるため、船舶の下船許可まで40日待機させたことに由来するという▲日本初の大規模な検疫は1895(明治28)年、日清戦争終結後に艦船で帰国した兵員に陸軍が行った。作業を統率したのは、当時37歳の後藤新平。関東大震災の際、東京復興を指揮したことで知られるが、もともとは医学校を出た官僚だった▲新型コロナウイルスが猛威をふるういま、その取り組みが改めて注目されている。後藤は、衛生は国家の責任だと考えていた。予算も規模も破格の検疫を主張し、広島市沖の「似島(にのしま)」など3カ所に検疫所を突貫工事で設けた。約23万人の検疫を行い、コレラなどの感染防止に成果を上げた▲後藤の故郷、岩手県奥州市の「後藤新平記念館」は特別展を開き、検疫の業務報告書や図表などを展示している。中村淑子学芸調査員によると、後藤が医療従事者の待遇改善を上司に説いた記録もある。「いまのコロナ対策に通じる課題が感じられます」と中村さんは解説する▲似島はその後、広島に原爆が投下された際に検疫施設が救護病院となり、被爆者約1万人が運びこまれた。多くの市民が息絶え、今度は悲劇の地として歴史に刻まれる▲感染者が増加するコロナ禍は、新たな局面を迎えている。後藤の奮闘から125年。政治や行政の判断が、国民一人一人の命を左右する。その重みを改めて思う。

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