9月中旬の総合型選抜(旧AO入試)の出願を皮切りに2021年度入学者対象の大学入試が始まる。入試制度が変わるだけでなく、コロナ禍を受け、受験生や保護者の不安が高まる中、「超安全志向になるのではないか」と予想する教育関係者は多い。今、大学受験戦線に何が起きているのか――。
「今年の受験生は四重苦ともいえる状況にあり、超安全志向が働いている」と指摘するのは、「リクルート進学総研」の小林浩所長だ。これまでの大学入試センター試験が大学入学共通テストに変わることへの不安に加え、入試改革の目玉とされていた「英語民間試験」と「記述式問題」の導入が見送りになった。さらに、コロナ禍で一般入試が通常通り実施できるのか、といった点も、受験生の心配を増幅させている。
千葉県内の中堅公立高校で3年生の学年主任をしている教員は不満をぶちまける。「英語の民間試験が導入されるということで、英語が得意な生徒には2年生の時から受検を勧めていた。また、高校での活動実績を電子データで記録し、入試の合否判定資料として活用する『ジャパンeポートフォリオ』の導入を見越し、1年生の時から入力の仕方などの指導をしてきたのに、これも事実上なくなった。これまでの苦労は何だったのか」
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