徐々に広がる駅のバリアフリー化 難しい100%整備 各社の工夫を探った

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都営大江戸線の練馬駅ではホームが車両に向かってスロープ状になっているため係員の介助なしに電車に乗り込める。写真は吉次まりさん=東京都で2020年8月19日午前11時26分、五十嵐朋子撮影
都営大江戸線の練馬駅ではホームが車両に向かってスロープ状になっているため係員の介助なしに電車に乗り込める。写真は吉次まりさん=東京都で2020年8月19日午前11時26分、五十嵐朋子撮影

 今年8月から開催されるはずだった東京パラリンピックを機に東京都内の駅ではエレベーターの設置などバリアフリー化が進んできたが、車いす利用者の不便さはまだ解消されていない。電車とホームの隙間(すきま)と段差のため1人で乗降できず、駅員の手を借りる場面を見かけるケースがまだまだ多い。延期されたパラリンピックの開催まであと1年。駅のバリアフリーの現状と課題を探った。【五十嵐朋子】

「1度の乗り換えに30分必要」

 健常者には「1歩」でできる電車の乗り降りが、車いす利用者にとっては大きな「壁」となる。

 今年8月、電動車いすを利用している吉次(よしつぐ)まりさん(31)=東京都練馬区=にお願いして、渋谷から山手線で新宿へ向かうのに同行させてもらった。JR渋谷駅の有人改札で声をかけ、スロープを設置してくれる係員を待つ。ホームから電車に乗り込むための補助台だ。係員と合流するとエレベーターでホームへ移動し、乗車位置まで案内してもらう。係員が電話で降車駅の新宿駅に連絡する。降りるときにスロープを置いてもらうためだ。それを待つ間、目の前を1本、2本と電車が通り過ぎていく。乗車したのは、改札を通ってから15分後だった。

 吉次さんの携帯電話には自宅の最寄り駅など私鉄や地下鉄の16駅の電話番号が登録されている。まれに連絡ミスで降車駅に係員がおらず、降りられな…

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