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文芸時評

8月 私のおすすめ 山本昭宏(神戸市外大准教授)

(1)温又柔『魯肉飯のさえずり』(中央公論新社)

(2)ケン・リュウほか『中国・SF・革命』(河出書房新社)

(3)山本貴光『マルジナリアでつかまえて』(本の雑誌社)

 (1)は、台湾出身の母と娘を語り手に、文化と言語の調和・同居・すれ違いを描く長編。台湾というルーツを知った相手が観光地の情報などを訊(き)いてくる。夫の妹からは化粧を、夫の母からは子供を求められる。無自覚なままに「○○らしさ」を押しつけて、属性でその人間を理解した気になる関係が息苦しく、つらい。

 しかし、娘が台湾を訪れる第三章以降、作品世界の彩りが増す。第五章では中国語学校で知り合った仲間たちとの交流が描かれるが、日本語と中国語が入り乱れた活発な会話は本書の白眉(はくび)だ。自他が微妙に変化する様子を見逃さず、変化の音までも聞き分けるような文章を堪能した。

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