「おしりだって、洗ってほしい」のウォシュレットはなぜ生まれたのか 進化の40年

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1980年に発売されたTOTOの初代ウォシュレット=TOTO提供
1980年に発売されたTOTOの初代ウォシュレット=TOTO提供

 TOTOの温水洗浄便座「ウォシュレット」が2020年、発売から40年を迎えた。世界で累計出荷台数は5000万台を突破。他社製を含めると、国内の家庭での温水洗浄便座の普及率は8割に達する。だが、「お尻を洗う」という文化が浸透するまでの道のりは苦難の連続だったという。

お茶の間に衝撃を与えたCM

 ウォシュレットの原型は、痔(じ)の人のための米国製医療用便座だ。日本では東洋陶器(現TOTO)が1964年から販売していたが、故障や使いにくさでクレームが多く、78年から自社開発に乗り出した。

 カーテンで目隠しをしたスペースでモニター役の社員を便座に座らせて肛門の位置を計測し、最適な水温を探った。最…

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