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詩の橋を渡って

生の意味を手探り=和合亮一(詩人)

詩人の和合亮一さん

乗り合わせているのはみんな

生きのびてふたたび通い慣れた者たちだ

私を運び、私を停止させ、私を殺す

大きなもの、あらがいがたいもの

 猛暑が続く。コロナウイルスの心配からマスクをするしかないが、炎天下では本当に苦しい。七年ぶりの第七詩集。細見和之さんの「ほとぼりが冷めるまで」(澪標)の冒頭の小気味よい数編に涼しさを感じた。「パパって小柄やったんやね/別に咎(とが)めるでもなく娘がそう言う」「ただ父として娘の前に立っていた/いままではこんな私がそれ相応に大きく見えていたのだ」「娘のひとことに眩暈(めまい)のする午後」。親なら経験する一コマである。

 家族の歴史の中にあった様々な事実を丹念に歌い上げる。そこにユーモアも寂しさもある。様々なめまいの瞬間を込めるのを忘れない。「家族の夕暮れは不意に訪れるものなのだ/星はちりぢりに散らばって/どんな形だったかもう誰にも分からない」。形とは星座のことを指すのだと前半で分かる。ここには歳月を経た家族の風景が描かれている。

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