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社説

河井夫妻の裁判 政治とカネの実態解明を

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 前法相の河井克行衆院議員と、妻の案里参院議員の刑事裁判が始まった。案里議員が初当選した昨夏の参院選を巡って、公職選挙法の買収の罪に問われている。

 地元である広島県の地方議員や首長ら100人に総額2900万円を渡し、票のとりまとめなどを依頼したとの起訴内容だ。

 東京地裁の初公判で、夫妻は現金を渡したことはおおむね認めたが、選挙運動の報酬ではないとして無罪を主張した。裁判では、現金提供の趣旨が争点になる。

 弁護側は、直前にあった統一地方選の陣中見舞いや当選祝いなど政治活動に伴う寄付であり、法的に許されていると訴えた。

 しかし、4カ月余りの間に、これほど大がかりに現金を配ったこと自体が異常である。

 「政治とカネ」に関する問題が相次ぐ中、カネのかからない仕組みを目指して改革が進められてきた。夫妻の行為は、その流れに逆行するものだ。

 事件によって、政治への信頼は大きく失われた。夫妻には、議員の職にとどまる資格はない。

 一方で、検察の捜査手法には、疑問が残る。

 現金を受け取ったとされる100人は、誰も起訴されていない。選挙の公正さを損なう買収事件では通常、受け取った側も罪に問われる。今回の対応は異例だ。

 弁護側は、検察の捜査について「違法な裏取引があった」と主張している。刑事責任を追及しない代わりに、買収されたとの証言を引き出したと批判している。

 今後の裁判では、100人の法廷での証言が、有罪か無罪かを判断する鍵となる。検察側は立件しなかった理由をきちんと説明すべきだ。そうでなければ、証言の信用性が疑われることになる。

 案里議員の陣営には、自民党本部から、同じ選挙区の現職候補の10倍に上る1億5000万円の選挙資金が振り込まれた。

 夫妻の逮捕直後、安倍晋三首相は「国民への説明責任を果たしていかなければならない」と述べている。だが、いまだに党は詳細を明らかにしていない。

 巨額の選挙資金の存在が、大規模な買収事件につながった疑いがある。この点も法廷で解明されなければならない。

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