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人類学の扉を開けて/下 AIを鏡に「人間」問いなおす=一橋大大学院准教授・久保明教

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 いずれ知性において人間を超える人工知能(AI)が現れるという未来予測は、ここ数年で広く知られるようになりました。AIが新たな経済発展をもたらすと楽観的に語られることもあれば、AIによる失業など悲観的に語られることもあります。とはいえ、AIもまた人間の役に立つべく作られた技術なのだから、うまくコントロールすればよいだけの話だと思われるかもしれません。

 でも、「技術は人間が作ったものだから完全に制御できる」と言いきれないことは、原発事故を考えれば明らかでしょう。原子力発電は鉱石などの原料を必要とし、放出された放射性物質の影響は完全には捕捉できません。事故や故障を例外として排除しなければ、テクノロジーを、完全にはコントロールできない、人間と人間以外の存在との相互作用として捉えることができます。AIであれ、原発であれ、新型コロナウイルスであれ、私た…

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