戸籍上は男性だが、心理的には女性で「性同一性障害」と診断されたタクシー運転手(60)が、化粧を理由に乗務を禁じられたのは不当だとして、勤務先に賃金支払いを求めた仮処分申請で、大阪地裁は訴えを認め、月18万円の支払いを命じた。溝口達裁判官は「外見を女性に近づけ、女性として社会生活を送ることは自然かつ当然の欲求だ」と指摘した。決定は確定した。
性同一性障害の人が勤務中に化粧することを認め、不当な取り扱いを禁じた司法判断は異例だ。
同地裁の仮処分決定(7月20日付)などによると、運転手は2018年11月、大阪市内のタクシー会社に性同一性障害と伝えた上で正社員として雇用され、化粧をして乗務を始めた。
20年2月、複数の上司から「身だしなみで化粧はないやん。男性やねんから」「だいぶ濃いわ」と注意された。さらに、「治らんでしょ、病気やねんから。うちでは乗せられへん」と言われ、乗務を禁止された。月20万~40万円ほどあった賃金はゼロになり、運転手は3月、同月から月33万円の支払いを求める仮処分を、同地裁に申し立てた。
決定は、性同一性障害の人が化粧することは「自然かつ当然の欲求」であり、「個性や価値観を過度に…
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