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余録

「銘鳥銘木、木に鳥止めた」…

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 「銘鳥銘木(めいちょうめいぼく)、木に鳥止めた」「何の木に止めた?」「ホウキに止めた」「何鳥止めた?」「チリトリ止めた」……こんな掛け合いで笑いをとる芸能を「軽口」という。江戸末期から明治にかけてはやったそうだ▲先日、97歳での訃報が伝えられた演芸界の最長老・内海桂子(うつみ・けいこ)さんは、よく若手の芸人にこの「銘鳥銘木」をいきなり振ってあわてさせた。直弟子のナイツはさすがに「ウイスキーに止めた」「サントリー止めた」と返してきたという▲女性漫才の草分け「内海桂子・好江(よしえ)」で48年間コンビを組んだ相方の好江さんに先立たれたのは23年前だ。その後、ピン芸人として三味線を手に披露した漫談や都々逸(どどいつ)、軽口である。かつての東京・下町の話芸を今によみがえらせた▲しゃれや節まわしの面白さは、戦前の物売りや大道芸から学んだとか。「言葉には裏も表も縦も横もある」。10歳で奉公に出て16歳で初舞台、その後は現役の浅草芸人として80年以上にわたり使いこなしてきた言葉の表裏縦横だった▲「苦労嫌うな苦は身の宝 苦労しようじゃ蔵が建つ」は10年前から始めたツイッターで披露した都々逸。自らが経験した2・26事件や終戦の玉音放送などの思い出を記したつぶやきは「歴史の生き証人」だと若者らの反響を呼んだ▲この4月にはコロナ禍による小さな店の苦境を心配してツイートした桂子さんだ。江戸・明治の薫(かお)りをとどめる言葉の芸と、大正・昭和・平成を生き抜いた女性芸人の心意気は令和の世にも引き継がれた。

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