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日本国憲法

日本国憲法は2022年5月3日、施行から75年を迎えました。改憲手続きや、内容を巡る議論を追います。

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「最長」のおわり

かなわなかった安倍首相の宿願 なぜ、改憲の風はやんだのか

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靖国神社の参拝を終えた安倍晋三首相=東京都千代田区で2013年12月26日午前11時45分、竹内幹撮影
靖国神社の参拝を終えた安倍晋三首相=東京都千代田区で2013年12月26日午前11時45分、竹内幹撮影

 8月28日に退陣を表明した安倍晋三首相。経済優先を貫いて長期政権を維持したのは、第1次政権で掲げたが挫折した「戦後レジームからの脱却」を目指すためだった。憲法改正、歴史認識、靖国神社参拝。歴代最長の在任となった7年8カ月で、首相の「宿願」はどうなったのか。【野口武則】

 第2次安倍政権下で憲法改正に向けた環境が最も整ったのは2016年の夏。参院選で自民、公明両党が勝利し、おおさか維新の会(現日本維新の会)などを加えた「改憲勢力」が参院でも3分の2に達し、国会発議に必要な3分の2を衆参両院で押さえた時期だ。

 翌17年5月3日の憲法記念日。首相は改憲派の集会へのビデオメッセージでこう語った。「私たちの世代のうちに、自衛隊の存在を憲法にしっかり位置づけ、『自衛隊が違憲かもしれない』などの議論が生まれる余地をなくすべきだ。9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む考え方は国民的な議論に値する。2020年を、新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っている」

 だがこの年2月に森友学園問題、5月には加計学園問題が公になり、政権は失速気味だった。

 もともと野党は…

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【日本国憲法】

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