メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

安倍政権が残したもの

類を見ない「言葉」の空疎さと不誠実さ 小田嶋隆さんが見た7年8カ月

コラムニストの小田嶋隆さん=東京都千代田区で2015年11月30日、小出洋平撮影

 2012年12月の第2次政権発足から7年8カ月余。安倍晋三首相は「美しい国」を掲げて憲政史上最長の在任期間を記録した。彼は日本になにをもたらしたのか。あるいはなにを壊したのか。その「なにか」を探り、社会に与えた影響を考える。初回は、コラムニストの小田嶋隆さん(63)。安倍首相の「言葉」と「記録」について聞いた。【塩田彩/統合デジタル取材センター】

 ――安倍首相の辞任をどのように受け止めていますか。

 ◆今回の辞任表明は、聞いた側からすれば突然のタイミングだったかもしれないが、前回の第1次政権の時のように、体力的に限界を迎えての辞任とは異なると思います。安倍首相は8月28日の辞任表明会見で、自分の病気が再発し「大切な政治判断を誤ることがあってはならない」から辞めると述べた一方で、次の首相任命までは職務を全うすると言いました。コロナ対応などでは適切な判断をする自信がないのに、後継者選びに関しては判断ができる、というのは矛盾しています。つまり、次にどんな政権ができて、自分をどう断罪するのかを見極める余力を残しての辞任だったということです。

 しかし国民の間には、ぎりぎりまでよく頑張ったという同情的な受け止めが広がっています。これは、卒業式が近づくと急に学校が恋しくなるような感情と似ていると感じます。

 ――共同通信が8月29、30日に実施した世論調査では、内閣支持率が20・9ポイント上昇し56.9%になったと報じられました。

 ◆持病が悪化しこれから静養するのだから、今更森友学園・加計学園問題などを蒸し返すのは残酷だ、今までいろいろと問題もあったけれど「お疲れ様でした」と優しく労をねぎらってリセットしましょう、ということですね。これは転校していく級友を見送るような、退職する同僚を見送るような心情、態度ですが、おおよそ政治家に対するものではありません。

 安倍首相は辞任会見で自らこうおっしゃっていました。「政治において最も重要なことは結果を出すことである」と。その通りです。政治は結果だというのであれば、…

この記事は有料記事です。

残り2672文字(全文3530文字)

塩田彩

大阪府出身。2009年入社。前橋支局、生活報道部を経て19年5月より統合デジタル取材センター。障害福祉分野を継続的に取材しています。好物は児童文学。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ショーン・コネリーさん死去 90歳 「007」のボンド役 BBC報じる

  2. 余録 映画「007」シリーズの第2作、「ロシアより愛をこめて」は…

  3. ボンドのスタイル決定づけ 深みと陰影の演技派に脱皮 ショーン・コネリーさん死去

  4. 逗子崩落・女子高生死亡 事故前日に亀裂発見 マンション管理会社、行政に伝えず

  5. 野村克也さんが死去 84歳 戦後初の3冠王、ID野球で3度日本一

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです