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川辺川ダム計画議論再燃 再び揺れる熊本・五木村 九州豪雨

川辺川ダム建設に関する資料を前に「今になってまたダムをと言われても」と複雑な思いを語る頭地地区区長の村口元吉さん=熊本県五木村で2020年8月29日午後1時46分、城島勇人撮影

 7月の九州豪雨で氾濫した球磨川の治水対策として、旧民主党政権時代に中止された川辺川ダム計画の議論が再燃し、水没予定地だった熊本県五木村が揺れている。1966年の計画浮上以降、村を挙げての反対運動が起こったが、洪水に苦しむ下流域のため一度は計画を受け入れた。半世紀以上にわたって国策に翻弄(ほんろう)されてきた住民たちは、2カ月前の豪雨被害をきっかけに再び持ち上がったダム計画の議論を固唾(かたず)をのんで見守っている。

 「観光施設もやっと軌道に乗ってきた。今になってまたダムと言われても……」。水没予定地の代わりに、国が村内の高台に造成した「頭地(とうじ)代替地」に2001年に移転した頭地地区区長の村口元吉さん(71)は困惑の表情を浮かべた。長らく村職員として住民の移転業務にも関わった村口さんは「苦渋の選択で住民が村の内外に出て行った。国がダム中止を決めた時には『ではなぜ私たちは出て行かなければならなかったのか』と嘆く住民もいた」と回顧する。

 川辺川は球磨川最大の支流で、ダムが建設されていれば村の中心部の大部分がダム湖に水没するはずだった。水没地最大の住民団体が国と補償基準を巡って妥結した81年時点の村の人口は約3300人。このうち約4割が移転対象となり、蒲島郁夫知事がダム計画の「白紙撤回」を表明した08年には約1400人にまで減っていた。

 09年に旧民主党政権がダム建設の中止を決定すると、村は残った住民の生活を立て直すため川辺川の豊かな自然を生かした観光振興に取り組むことにした。水没予定地を国から借り受けて15年以降、多目的広場や宿泊施設、バンジージャンプなどを整備し、08年に約13万人だった観光客は19年には約17万人まで増えた。だが、当初の計画通りにダムができれば、これらは水没することになる。

 ただ、ダムに関する住民の意見も…

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