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「ダイヤモンド・プリンセス」。華やかな船名のクルーズ船の乗客約2700人は、東南アジアを巡る16日間の船旅を楽しむ予定だった。56カ国・地域の人で、8割は60歳以上である。
1月20日に横浜港を出港し、香港、ベトナム、台湾を回って2月1日に那覇港にも寄港した。ところが、1月25日に香港で下船した80歳の男性の感染が確認される。狭い客室にいる客同士が、長い間食事や娯楽をともにすれば、まさに「超3密」状態。感染症のリスクはきわめて高い。政府は「検疫」という枠組みで対処しようとした。検査で陽性患者をあぶり出し、隔離する方法である。
2月3日、船は横浜港に着いた。接岸せず、横浜検疫所の検疫官が船で乗り込み、検査を開始した。4日夜、10人が陽性と判明する。陽性率は32・3%。事態を重く見た政府は5日朝、乗客らに14日間の自室待機を要請。船旅の楽しい思い出は暗転する。そのあと船旅と同じ期間、狭い船室に隔離されることになるからだ。窓のない部屋もあった。食事は乗員が運んでくるというが、その乗員は感染していないのか……。
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