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ダイヤモンド・プリンセス号の実相/2 感染判明、突如4倍

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クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」内で新型コロナウイルスの陽性反応を示した乗船者を搬送する防護服姿の関係者=横浜市中区で2020年2月5日午前9時22分、本社ヘリから
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」内で新型コロナウイルスの陽性反応を示した乗船者を搬送する防護服姿の関係者=横浜市中区で2020年2月5日午前9時22分、本社ヘリから

 「ダイヤモンド・プリンセス」。華やかな船名のクルーズ船の乗客約2700人は、東南アジアを巡る16日間の船旅を楽しむ予定だった。56カ国・地域の人で、8割は60歳以上である。

 1月20日に横浜港を出港し、香港、ベトナム、台湾を回って2月1日に那覇港にも寄港した。ところが、1月25日に香港で下船した80歳の男性の感染が確認される。狭い客室にいる客同士が、長い間食事や娯楽をともにすれば、まさに「超3密」状態。感染症のリスクはきわめて高い。政府は「検疫」という枠組みで対処しようとした。検査で陽性患者をあぶり出し、隔離する方法である。

 2月3日、船は横浜港に着いた。接岸せず、横浜検疫所の検疫官が船で乗り込み、検査を開始した。4日夜、10人が陽性と判明する。陽性率は32・3%。事態を重く見た政府は5日朝、乗客らに14日間の自室待機を要請。船旅の楽しい思い出は暗転する。そのあと船旅と同じ期間、狭い船室に隔離されることになるからだ。窓のない部屋もあった。食事は乗員が運んでくるというが、その乗員は感染していないのか……。

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