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「最長」のおわり

7年8カ月にわたり日本のかじ取り役を担った安倍晋三首相が辞任を表明した。安倍政権は何を残したのか。

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「最長」のおわり

「新三本の矢」は結局どうなった? 経済優先の社会保障、その効果は

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保育所で子供たちとふれあう安倍晋三首相(中央)=東京都港区のカンガルーム汐留で2013年5月16日午前10時39分、竹内幹撮影
保育所で子供たちとふれあう安倍晋三首相(中央)=東京都港区のカンガルーム汐留で2013年5月16日午前10時39分、竹内幹撮影

 安倍政権が掲げた経済政策「アベノミクス」は、雇用や社会保障政策全般に影響を及ぼした。これまで高齢者中心だった施策について、子育て世帯や現役世代も含めた「全世代型社会保障」を提唱し、政権が改革の機運を盛り上げた面もある。しかし、主に官邸が主導した政策は経済成長が優先。各論で見ても、一貫性を欠くものや「看板倒れ」の内容も目立った。

政策の主眼はあくまでも…

 「成長の果実を生かし、保育の拡充、幼児教育・保育の無償化を行った」。安倍晋三首相は、辞任を表明した8月28日の会見で、政権の「レガシー」(政治的遺産)をこう強調した。

 幼児教育・保育の無償化の「源流」とは、実は経済政策の中にある。政権は2012年12月に公表した「三本の矢」で、金融緩和、財政出動、成長戦略を柱に据えていたが、15年9月には「新三本の矢」にバージョンアップ。そこでは、金融緩和などの経済政策に加え、子育て支援、「介護離職ゼロ」という社会保障分野の政策が加わった。幼児教育・保育の無償化は、「希望出生率1・8」を目指す子育て支援とともに、この中に位置づけられた。

 こうした政策の主眼はあくまでも「経済…

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