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経済観測

毎日新聞経済面に連日連載の経済コラム。経営者や経済評論家らが独自の視点で、経済の今とこれからを展望する。

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忖度レジームからの脱却=東洋大学国際学部教授・横江公美

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 2012年の自民党総裁選で、地方票と国会議員票の合計で敗れながらも国会議員による決選投票で返り咲いた安倍晋三首相が、連続在任日数の歴代最長記録を更新したことは、なんとも例示的だ。安倍氏はこの7年8カ月で、2回目があること、日本でも失敗から学び立ち上がれることを見せたと思う。

 常々思うことだが、日本はやり直しができる社会風土ではない。新卒での就職がその後の人生を大きく左右する。新しいことに挑戦したいと思っても、機会が少ない。組織の中でも失敗すると「あの人はできない」と決めつけられてしまう節がある。失敗が許されない組織は、どうしても上司への「御意ワールド」になる。

 安倍氏は1回目の首相辞任後、永田町で「再起は無理だろう」と言われていた。民主党政権で、自民党が下野していた時期だ。安倍氏は地元で支援者を回り、東京ではさまざまな会に顔を出していた。経済界のパーティーでも取り囲まれるようなことはなく、一人で立っていた。そこからはい上がり、首相に返り咲いたのだから、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神である。

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