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2021自民党総裁選

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「役所の縦割りをぶち壊す」が菅氏のキーワード 出馬会見の舞台裏

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記者会見で自民党総裁選への出馬を表明する菅義偉官房長官=東京都千代田区で2020年9月2日午後5時2分、手塚耕一郎撮影
記者会見で自民党総裁選への出馬を表明する菅義偉官房長官=東京都千代田区で2020年9月2日午後5時2分、手塚耕一郎撮影

 菅義偉官房長官は2日、国会内で記者会見を開き、自民党総裁選への立候補を正式に表明した。安倍政権の立場をベースにした発言内容に「新味」はなかったが、官房長官としての定例会見に比べると、語気が強く、語尾も鮮明で、「意欲」を感じさせた。総裁選で本命視される菅氏の会見の「舞台裏」を追った。

会見場には大勢の報道陣

 2日午後3時、会見場となった衆院第2議員会館の多目的会議室には50人近い報道陣が集まっていた。会見は5時開始予定だったが、陣営が告知した開場時刻に合わせて「場所取り」の記者やカメラマンがスタンバイしていた。ところが、予定の時刻になっても、会見場では椅子のセットなど準備が続き、ようやく入れた時には3時28分になっていた。

 扉が開くと、報道各社の政治部の若手記者らが駆け入り、「場所取り」のため名刺を長テーブルに並べていく。陣営スタッフは「新型コロナウイルス対策のために1席ずつ空けてください」と呼びかけるが、4、5席を確保しようとする社もあり、奪い合いになるケースも。官房長官の担当記者として座席がない事態は避けなければならず、私も何とか最前列に1席確保した。

 菅氏は2日も安倍政権の官房長官として、首相官邸で午前と午後の2回、定例会見をこなし、事務方から日本に接近する台風9、10号や新型コロナに関する報告も受けた。しかし、公務の予定はほとんど入れておらず、党関係者と面会したり、電話したりして、総裁選に向けた足場固めをはかった。「勝ち馬」に乗ろうとする各派閥の支持表明が相次ぐが、周辺には言葉少なに「ありがたいこと」と語るだけで感情の高ぶりなどはうかがえなかった。

午後の定例会見で変化が

 出馬会見の約1時間前にあった午後の定例会見では、わ…

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【2021自民党総裁選】

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