特集

2021自民党総裁選

岸田文雄首相による新内閣が発足しました。内閣について考察した記事や各国の反応をまとめています。

特集一覧

3候補の経済政策は? 片りん見えた「菅カラー」 携帯業界は警戒感

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
記者会見する菅義偉官房長官=首相官邸で2020年9月3日午前11時半、竹内幹撮影
記者会見する菅義偉官房長官=首相官邸で2020年9月3日午前11時半、竹内幹撮影

 自民党総裁選の争点の一つが経済政策だ。安倍首相の経済政策「アベノミクス」の継承を掲げる菅義偉官房長官に対し、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長がどのような独自色を打ち出せるかが焦点。金融や財政の政策運営については3氏の考え方に異なる点もあり、選挙戦を通じて政策論争が深まるか注目される。

3氏の考えは…

 「アベノミクスを責任もって引き継ぎ、さらに前に進めていく」。2日の出馬記者会見でこう宣言したのは菅氏だ。強調したのが、アベノミクスが押し上げた株価。日経平均が8000円台まで沈み、円相場も一時1ドル=75円台の史上最高値を付けていた旧民主党政権下と比べ、2万円を超えるまでに株高が進んだ実績をアピールした。

 これに対し、岸田氏は「大企業や富裕層は成長の果実を実感できるが、中間層や中小企業、地方はなかなかできない」と格差の是正を訴える。石破氏も「個人所得が伸び悩んでいる」と指摘し、低所得者の可処分所得を引き上げることで消費をテコ入れする考えだ。

金融政策、財政政策は?

 日銀の異次元緩和が続くアベノミクスの金看板である金融政策については、急な変更を打ち出せば市場が動揺しかねないこともあり、3氏とも当面は現状維持。ただ、「日銀との関係は首相と同じように進めたい」とする菅氏に対し、岸田氏は、数年先には米欧などの先進各国で緩和策の終了に向けて金融政策が正常化されるとの見方から「日本も遅れることなく(金融政策の正常化を)考える」と踏み込んだ。石破氏は、日銀による国債や上場投資信託(ETF)の大量購入が市場の自律的な価格形成に影響を与えているとし、「市場機能を取り戻す必要がある」と訴える。

 財政政策を巡っては互いの主張の違いが鮮明になりつつある。中でも岸田氏は最も財政規律を重視。新型コロナウイルス対策で当面は思い切った財政出動が必要だとした上で、1日の出馬会見では、「数年先には財政健全化もしっかり考えていく」と述べた。一方、石破氏は「消費税の果たすべき役割をもう一度検証する」と発言。社会保障の安定財源として必要であることも考慮しつつ、コロナ対策の一環として減税に含みを持たせている。「(所得の低い人ほど負担の重い)逆進性の及ばないようなやり方はないのか」とも述べており、ここでも低所得者に配慮する姿勢を示す。

 菅氏は2日の記者会見で、財政については言及しなかった。ただ、過去には消費増税に慎重な立場をとったこともあり、「岸田氏に比べれば財政出動に積極的な立場ではないか」(経済官庁幹部)との見方がある。

成長戦略は

 アベノミクスで最も課題とされた成長戦略については、岸田氏がデジタル技術とデータを活用した遠隔教育や遠隔医療、スマート農林水産業などを提唱。石破氏も人工知能を活用した農林水産業やサービス業などを掲げている。東京一極集中の是正などを通じた地方活性化を掲げている点も3氏に共通しており、今のところ独自性を示せていない。【和田憲二、村尾哲】

菅氏、会見で業界の現状批判

 3候補の中で本命と目される菅氏。アベノミクス継承を…

この記事は有料記事です。

残り1168文字(全文2434文字)

【2021自民党総裁選】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

ニュース特集