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今週の気持ち

今週の気持ちは「天国の息子へ」

 「女・男の気持ち」(2020年8月27日~9月2日、東京・大阪・西部3本社版計21本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版8月27日掲載の投稿です。

  ◆  ◆

<今週の気持ち>

天国の息子へ 静岡県伊東市・石川栄枝さん(保育士・65歳)

 8月10日は私の誕生日。65歳になりました。君の同級生は41歳ですね。だけど君はずっと39歳のまま年を取らなくなりました。自分の誕生日が悲しくてつらいです。花束を抱えて「母ちゃんおめでとう」って言う君の声も笑顔もはっきり覚えています。あと何回誕生日が巡ってくるのかわからないけれど、母の寿命を君にあげたかったです。

 毎日暑いですね。今、世界中で新型コロナウイルスが大流行して大変なことになっています。エクモという機械の映像がニュースで流れると、涙があふれてきてテレビを消してしまいます。

 君もエクモにつながれて頑張っていましたね。先生から「もう助かりません」と言われてからも2週間、よく闘ったね。君の手を握り、耳元でそっとささやいた母の声は聞こえましたか。

 「もう十分頑張ったよ。楽になっていいんだよ。お母さんは大丈夫だから、大好きだったおじいちゃんとおばあちゃんに迎えに来てもらおうね」。母はもう、苦しむ君を見るのが限界でした。

 あれから1年5カ月。お母さんは大丈夫、心配しなくていいよと言った約束は、ちょっとだけ守られていません。ときどき悲しくてワーッと泣き叫んでしまいます。でも、泣きやんでなんとかやっています。君が天国でおじいちゃんたちと笑っていることを信じて、また手紙を出します。母より。

  ◆  ◆

<担当記者より>

 いただいた「女・男の気持ち」への投稿は、掲載する際は必ずご本人に電話し、内容などを確認しています。石川さんの投稿は、天国にいる息子さんへの手紙。記者が読み上げると、石川さんは電話口で泣いてしまったようでした。つらいことを思い出させてしまったこと、この場で謝りたいと思います。ごめんなさい。

 石川さんの息子さんが亡くなったのは昨年3月。突然、原因不明の発熱が1週間続き、「インフルエンザかな、などと思っているうちに東京の病院に運ばれてしまいました」。エクモ(人工心肺装置)を使用したにもかかわらず、2週間後に亡くなったそうです。重症者はエクモによる治療が必要になる新型コロナウイルスの感染拡大は、石川さんにとって人ごとではないでしょう。

 「母の寿命を君にあげたかったです」とつづった石川さんの気持ちが、胸に迫りました。お子さんを亡くしたご両親の気持ちは、すぐに「大丈夫だから心配しないで」とは切り替えられないでしょう。書くことで少しでも気持ちが癒やされるなら、これからもご投稿いただきたいと思います。

 同じくお子さんを若くして亡くされた方からの投稿もすでに届いていますので、この欄で紹介したいと考えています。みなさまからのコメントもお待ちしています。コメントはこちらからどうぞ

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