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恋ふらむ鳥は

/93 澤田瞳子 画 村田涼平

 ええ、と戸惑いながらうなずいた額田(ぬかた)に、大(おお)海人(あま)はほろ苦く笑った。

「そりゃ確かに、大王(おおきみ)の座への思いが皆無だったとは言わん。ただどうも俺は、人を横から助けている方が性に合っているようだ。兄者が伊賀(いが)を跡取りにしたいなら、それを手伝うまでさ。それより実の娘の縁組みすら耳に入れてもらえん方が、俺にはよほど堪(こた)えるぞ」

 ひやりと冷たいものが、額田の胸を吹き過ぎる。大海人はこめかみを片手で軽く撫(な)ぜ、「あの小さかった十市(とおち)がなあ」と呟(つぶや)いた。

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