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的川博士の銀河教室

的川博士の銀河教室 612 「オシリス・レックス」リハーサル成功

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10月20日、サンプル採取へ

 小惑星(しょうわくせい)からのサンプルを採取し、帰途(きと)についている日本の探査機「はやぶさ2」に次いで、世界3機目の小惑星サンプル・リターンを目指しているのが、米国の探査機「オシリス・レックス」(図)です。

 「オシリス・レックス」が現在接近しているのは、小惑星ベンヌ(写真)。「はやぶさ2」が着陸した小惑星リュウグウと同じように、表面が岩だらけで、着陸地点を探すのに苦労したようです。でも今はすでに目標地点を定め、そこに「ナイチンゲール」という名前をつけました。さる8月半ばには、ナイチンゲールの上空40メートルまで舞(ま)い降(お)りて、仕上げのリハーサルを成功させました。

 「オシリス・レックス」は、弾丸(だんがん)を発射させる「はやぶさ2」と異なり、延ばしたアームの先端(せんたん)から窒素(ちっそ)ガスを噴射(ふんしゃ)してサンプルを採取する方式を採用しています。いずれにしろ、表面まで降りてサンプルを採るときには、探査機の位置と速度・角度を完璧(かんぺき)に制御(せいぎょ)して、自転している小惑星の表面とぴったり同じ動きをしている状態(相対運動のない状態)にする必要があります。そのための一連の制御の動作練習を、このリハーサルで見事にやりとげた模様です。これで「オシリス・レックス」のチームも大いに自信がついたことでしょう。そのリハーサルの時に撮(と)られた映像はNASA(米航空宇宙局)のホームページ(https://www.nasa.gov/)で見ることができます。そしていよいよ本番のサンプル採取は、第1回が10月20日に予定されています。

 2016年9月に打ち上げられ、18年12月3日にベンヌ付近に到達(とうたつ)した「オシリス・レックス」は、18年12月31日、ベンヌから2キロ以内に接近し、周囲を61時間で1周する軌道(きどう)に入りました。当初、今年の8月にもサンプル採取を行うと言っていたのが、かなり遅(おく)れた一因には、新型コロナウイルスの影響(えいきょう)があったようですね。

 なお、最大3回のサンプル採取が想定されていましたが、第1回タッチダウンでたくさんのサンプルがとれれば、追加の採取は実施(じっし)しないそうです。そして21年3月にベンヌを出発して、23年9月24日に地球に帰還(きかん)します。いずれ詳(くわ)しい報告をお届けします。


的川泰宣(まとがわやすのり)さん

 長らく日本の宇宙開発の最前線で活躍(かつやく)してきた「宇宙博士」。現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉(めいよ)教授。1942年生まれ。


日本宇宙少年団(YAC)

 年齢・性別問わず、宇宙に興味があればだれでも団員になれます。 http://www.yac−j.or.jp


 「的川博士の銀河教室」は、宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、的川泰宣(まとがわやすのり)さんが解説するコーナー。毎日小学生新聞で2008年10月から連載(れんさい)開始。カットのイラストは漫画家(まんがか)の松本零士(まつもとれいじ)さん。

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