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15歳のニュース 「第二の水泳人生の始まり」 池江選手、1年7カ月ぶり実戦

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 白血病で長期療養(りょうよう)していた競泳の池江璃花子(いけえりかこ)選手(20)が8月29日、東京都特別水泳大会の女子50メートル自由形に出場した。病名公表後初めてで、2019年1月以来1年7カ月ぶりの実戦。レース直後は涙(なみだ)も見せ、「第二の水泳人生の始まりかなと思う。自分のことだけど感動した」と話した。記録は26秒32で5位。大会前に目標としていたこの種目の日本学生選手権(インカレ)参加標準記録(26秒86)を突破(とっぱ)した。

 池江さんは昨年2月、急性リンパ性白血病と診断(しんだん)され闘病生活(とうびょうせいかつ)に入った。造血幹(ぞうけっかん)細胞(さいぼう)移植を経て、同年12月に退院。今年3月にプールでの練習を再開した。

 日本大学2年の池江さんは入学後の記録がなく、10月のインカレに出場するには、19年4月以降の長水路(50メートル)のタイムで上位に入る必要があった。「今の自分の実力を確認する場」として、自身が日本記録(24秒21)を持つこの種目で今大会の出場を決めた。

 抗(こう)がん剤治療(ざいちりょう)をはじめ「思ってたより数千倍しんどい」と、池江さんが漏(も)らした入院生活。「一番つらかった時期も分かってくれていたマネジャーがウルッときている姿を見て、もらい泣きしてしまいました」。50メートルを泳ぎ切りプールサイドに上がると、白いスイミングキャップを握(にぎ)りしめ、目元の涙を拭(ぬぐ)った。

 50メートル自由形を含(ふく)め個人5種目の日本記録を持つ池江さんだが、この日は「緊張(きんちょう)するという言葉しか浮(う)かばないくらい緊張した」。選手紹介(せんしゅしょうかい)のアナウンスが流れる中、ピンク色のゴーグルが外れないか入念に確認し、スタート台に上がった。プールに飛(と)び込(こ)むと、しなやかな泳ぎは健在だった。

「アスリートとして負けたくない」

 レース中の息継(いきつ)ぎは1度だけ。「最後15メートルは体が動かなくなったが、アスリートとして負けたくない気持ちは残っていた」。力を出し切り、一番にタッチ板をたたいた。この日は無観客ながら、レース後の会場には拍手(はくしゅ)が響(ひび)いた。多くの関係者やファンは復帰を待ちわびていた。池江さんは「とにかく自分がここまで回復し、いろいろな人に自分の泳ぎをまた見てもらうことができた。夢を、目標をかなえられたというところを見てもらえたら」と明るく話した。


 ■KEY WORDS

 【日本(にほん)学生(がくせい)選手権(せんしゅけん)(インカレ)】

 大学生のスポーツ大会。インターカレッジ(Intercollege)を略してインカレと呼ばれる。このうち水泳は、競技大会で初めて天皇杯(はい)が授与(じゅよ)された日本最古の水泳大会。1921(大正10)年、新聞社の万(よろず)朝報が大学対抗(たいこう)の水泳競技会の開催(かいさい)を始めたのが始まり。男子のみだったが、66年から女子も加わった。

 【急性(きゅうせい)リンパ性(せい)白血病(はっけつびょう)】

 白血病は、血液に含(ふく)まれる白血球や、白血球を生み出す元の細胞(さいぼう)が異常に増殖(ぞうしょく)する病気。20歳(さい)未満の人がかかるがんの中では最も多い。進行の速さやがんになる細胞の種類によって、急性リンパ性白血病や急性骨髄性(こつずいせい)白血病などと分類される。治療法(ちりょうほう)には骨髄移植(いしょく)や抗(こう)がん剤(ざい)、分子標的薬などがある。

 【造血(ぞうけつ)幹(かん)細胞(さいぼう)移植(いしょく)】

 造血幹細胞は骨髄(こつずい)でつくられ、赤血球や白血球などに成長する。白血病などでがん化した細胞を薬や放射線で減らし、提供者(ドナー)の健康な細胞を移植して回復を図る。

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