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余録

その昔「さんま騒がせで豆腐屋上がったり」といわれた…

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 その昔「さんま騒がせで豆腐屋上がったり」といわれた。秋、房州のサンマがどっと入荷して江戸の魚河岸(うおがし)が上を下への大騒ぎとなったのがさんま騒がせ、そんな時は豆腐屋は商売上がったりだったという▲サンマが安くなり、もろにお客を奪われたのが豆腐屋だったのである。「つき屋むしゃむしゃ甘塩の九寸五分(くすんごぶ)」はそのころの川柳。つき屋は米つきを商売とする屈強の男、九寸五分とはそう呼ばれた短刀になぞらえたサンマのことだ▲力仕事の職人が栄養補給にむしゃむしゃ食べられたサンマである。落語「目黒のさんま」は、安くてうまいサンマを下魚とさげすむ「殿様」たちへの庶民の抵抗の笑いだろう。だがその安いサンマを窮地に追い込む不漁の連続である▲先週は北海道での大型船の初水揚げ量が昨年の1%だったとのニュースが衝撃を呼んだ。過去最悪の不漁だった昨年の漁獲量4万5800トンはピーク時の1割足らずだが、調査にもとづく今年の予測はそれを下回る恐れがあるという▲原因の一つは日本近海の海水温の上昇という。また本来サンマのいる水温域でのイワシの増加も目立つという。台湾や中国などの漁獲量増加の影響も大きそうだが、急ぎたい資源管理の国際協議はコロナ禍で先送りとなってしまった▲小さいので1匹500円などと聞けば、先ごろご祝儀相場で話題となった1匹6000円がやがて普通になりはせぬかと心配になる。「殿様」しかサンマを食べられなくなる「逆・目黒のさんま」はごめんだ。

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