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鎌田雄一郎さん 『16歳からのはじめてのゲーム理論』

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 ◆鎌田雄一郎(かまだ・ゆういちろう)さん

 (ダイヤモンド社・1760円)

戦略的思考を分かりやすく

 ビジネスの戦略や選挙の投票など、人間の生きる社会でなされる意思決定について研究する「ゲーム理論」。米国カリフォルニア大バークレー校の経営大学院で教える専門家が、ゲーム理論を知らない読者にも、その有用性を「体感」してもらおうと本を著した。町内会の投票や家族の会話といった、誰もが日常生活で遭遇しそうな場面が舞台の物語を用意し、ゲーム理論の思考法がどう生かせるかを説く。「社会のことをよりよく理解する」ため、その考え方を身につけてほしいという。

 本書ではネズミの親子が登場。さまざまな家に上がり込み、生活をのぞき見する。ある家では、かつて音楽プロデューサーだった男性が、歌手のオーディションの担当者2人の仲が悪くなってから「発掘した候補生が売れなくなった」と振り返る。ネズミの親子は、選んだ候補生は結果的に一致しても、音楽性やファッション性など、どこに目を付けたかの「『なぜ』の共有」がなされなかったことが理由だと導き出す。

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残り379文字(全文839文字)

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