農地荒らす鹿やイノシシ肉のジビエ コロナで消費減、需要開拓の正念場

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 野生の鹿とイノシシが農地を荒らす被害が深刻化。国は増えすぎた分を捕獲する一方、肉を処理してジビエ料理の食材に活用する施策を推進してきた。だが新型コロナウイルス感染症の影響で飲食店向けの出荷が激減し、普及に暗雲が漂う。新たな需要を開拓できるだろうか。【渡辺諒】

防衛省に利用呼びかけ

 鹿肉を使ったマーボー豆腐やカレー、ハンバーグ、メンチカツに、イノシシ肉のベーコンサンドイッチ――。7月20日に東京・市ケ谷の防衛省内のホールで開かれた、ジビエ料理の試食会。河野太郎防衛相や同省職員ら約70人の前に12品が並べられ、料理の説明を受けながら賞味した。河野氏は「どれもおいしいが、シューマイなど中華が特に良い」と感想を寄せた。

 一般社団法人「日本ジビエ振興協会」が企画した。近年、ジビエ料理を飲食店などで目にする機会が増えてきた。しかし、新型コロナの影響で飲食店が休業や営業時間の短縮に追い込まれ、客が利用を自粛する動きも加わって、肉の消費が落ち込んだ。そこで、全国各地に所在する基地や駐屯地など防衛省関連施設でジビエ食材の利用を進めてもらおうと、協会が防衛省に協力を要請。その一環で試食会が実現した。

 一部の駐屯地の食堂でジビエメニューを導入する動きがあるほか、防衛省共済組合が運営する宿泊施設で鹿肉の仕入れを検討しているという。協会の藤木徳彦代表理事は「駐屯地などは地方にあり、地方の課題解決に貢献する意味でも、ジビエの利用を進めてほしい」と話す。

鹿、イノ…

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