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創作の原点

十五代樂吉左衞門、陶芸家・樂直入さん 静けさと激しさ、長次郎の碗

樂直入さん=京都市上京区で2020年8月19日、菱田諭士撮影

 昨年、長男に樂家当主を譲り、十五代樂吉左衞門から改名した。ひげを蓄えた樂直入さん(71)は「田舎にこもっていたから伸び放題」と明るく話す。京都の山あいのアトリエで、春から作陶ざんまいの日々だった。

 いま取り組むのは、黒一色に近い茶碗(ちゃわん)で、なるべく造形を意識せずにひたすら削る。今までにない様式で、自ら「岩石」と呼ぶ。「もう大きく変わることはないでしょう。後はこの先に何が見えるのか極めたい」

 桃山時代から一子相伝で作陶を伝える樂家に生まれた。十四代の父が急逝し、32歳で当主を継ぐ。現代的作風で知られ、多彩な活動で樂焼の魅力を伝えてきた。そんな直入さんには若き日、5年間の空白期間がある。東京芸大で彫刻を学び、西洋の古典的な人体表現に取り組んだ2年生の頃。ふと「なぜこんな作品を作っているのだろう」と疑念が湧いた。

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