メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

安倍政権が残したもの

弱者は切り捨て、戦中の隠蔽体質 「泥船」7年8カ月 作家・中島京子さん

中島京子さん=東京都文京区で2018年5月22日、根岸基弘撮影

 特定秘密保護法や安全保障関連法、森友文書改ざん……。戦前・戦中の庶民の暮らしを描いた「小さいおうち」で知られる直木賞作家、中島京子さん(56)は、第2次安倍政権下で多くの問題が指摘されながらも強行採決された法案や数々の不祥事に対し、国会前のデモに参加して抗議の声を上げてきた。中島さんが「泥船」と表現した長期政権が醸し出した時代の空気とは――。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】

極めて「安倍政権的」な幕切れ

 ――毎日新聞のコラム「時代の風」では、安倍政権下の国民は「泥船に乗っている」が、「船長(安倍晋三首相)はしぶとい」と書きました。安倍首相の辞任表明をどう見ますか。

 ◆思っていたよりあっけないというか、えっという終わり方でした。ただ、この政権では、終わる理由として、体調の問題か任期満了しか選択肢はなかったと思っています。というのも、森友、加計問題や桜を見る会など、過去の政権なら首相が責任を取って辞めていたであろう局面は何度もあったのに、絶対に辞めなかったからです。常識ではあり得ないレベルの「辞めない」方針を貫くことで、長期政権になったのです。今回、検察庁法改正案がツイッターデモで廃案に追い込まれ、「アベノマスク」など新型コロナウイルス対策が国民の怒りを買うなどし、実際支持率が低下していました。事実上、追い詰められて辞めたように見えますが、病気が理由と言われると、多くの人はそれ以上突っ込みづらい。これまで同様、責任があいまいにごまかされており、極めて「安倍政権的」な幕切れと考えます。

「権力は絶対腐敗する」体現

 ――7年8カ月を振り返って、特に印象に残ったことは何ですか。

 ◆具体的な政策や不祥事はひどいことがいくつもあり、一つに絞るのが難しいですね。全体としては、民主主義やそれを担保するための手続きを無視したり壊したりしたことによって、政治や行政に対する信頼を失墜させたという印象があります。「権力の私物化」という言葉が一番分かりやすいでしょう。権…

この記事は有料記事です。

残り2066文字(全文2903文字)

牧野宏美

2001年入社。広島支局、大阪社会部、東京社会部などを経て19年5月から統合デジタル取材センター。広島では平和報道、社会部では経済事件や裁判などを担当した。障害者や貧困の問題にも関心がある。温泉とミニシアター系の映画が好き。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「菅語」を考える 小田嶋隆さんが読む首相の「恐怖政治断行」宣言 「小さな部屋の王様」の恫喝

  2. 「菅語」を考える 論理的でない受け答え「首相の器ではない」 上西充子法政大教授

  3. アフリカン・ライフ リアル北斗の拳? 鉄道略奪・ケーブル盗の素顔 後編

  4. AED使用時にプライバシー保護 和歌山の高校生が上半身覆うシート作製、配布

  5. ORICON NEWS 嵐、大みそか生配信ライブの詳細発表 FC会員に紙チケット発行、見逃し配信なし

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです