北海道・寿都の核のごみ問題 「まずは勉強、それを止めるのはおかしい」 片岡町長インタビュー

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毎日新聞の単独インタビューに応じる北海道寿都町の片岡春雄町長=寿都町で2020年9月4日午前10時31分、高橋由衣撮影
毎日新聞の単独インタビューに応じる北海道寿都町の片岡春雄町長=寿都町で2020年9月4日午前10時31分、高橋由衣撮影

 8月中旬、原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査への応募の意向を示した北海道寿都(すっつ)町の片岡春雄町長(71)は「核のごみを今すぐ運び込むわけではない」と強調する。約20年間続く調査は「勉強の期間」であり、次の世代が処分場を作るかどうかの判断をする、という主張だ。文献調査を「大人の責任」と言い切る片岡氏の現状認識と町の将来像は――。【北海道報道部 清水健二、高橋由衣】

コロナで地元は大打撃、いいタイミングだった

 *寿都町は札幌から西に車で約3時間。日本海に面した人口約2900人の町だ。後志(しりべし)地方と呼ばれる一帯には、小樽や積丹(しゃこたん)半島などの観光地、ニセコなどのリゾート地のほか、現在運転停止中の北海道電力泊原発もある。片岡氏は4日、町長室でインタビューに応じた。

 ――応募に関し、町長は「行き場のない『核のごみ』問題に一石を投じる」とのフレーズをよく使います。この思いは以前からあったのですか?

 ◆そうでもない。町では以前から町営の風力発電所を持ち、エネルギー政策について経済産業省などと議論している。その中で最終処分場の話も出ていたが、さらっと聞き流していた。だが、2018年9月に北海道胆振東部地震が起きた。予期していないエリアでの地震で、寿都町内は27時間ブラックアウト(全域停電)した。これを経験し「安全・安心な街づくり」と安易に言えなくなった。国の事業で地盤の調査ができればと考え、地層処分の文献調査と結びついた。最大20億円という交付金は「出し過ぎだ」と感じつつ「一石二鳥だよな」とも思った。

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