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社説

米中の軍事対立 緊張緩和に向けた対話を

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 米中関係が1979年の国交正常化以来最悪といわれる対立を深める中、南シナ海などで軍事的な緊張の高まりが懸念されている。

 11月の米大統領選を前にした政治的に敏感な時期だ。偶発的な事故が危険な事態を招きかねない。米中双方とも自制が必要だ。

 中国軍は今夏、沿岸部での軍事訓練を繰り返している。8月下旬には南シナ海で中距離弾道ミサイルの発射訓練を実施した。

 使用されたミサイルは艦船も標的にすることが可能とされ、空母キラーなどと呼ばれる。有事に米軍の接近を阻止するために開発されたとみられている。

 中国は米国が台湾への支援を強め、中国周辺での軍事行動を活発化させていることに反発している。昨夏に続く発射訓練は米国けん制の狙いが色濃い。

 南シナ海に人工島を造り、軍事化を進める中国には日本を含めた周辺諸国も懸念を深めている。いたずらに地域の緊張を高める軍事行動は厳に慎むべきだ。

 米軍は人工島周辺や中国領海に接近する「航行の自由」作戦の実施頻度を高めている。中国軍の訓練と同時に南シナ海に空母を派遣し、にらみ合う場面もあった。

 ミサイル発射前には東シナ海の飛行禁止区域に米軍の偵察機が進入し、訓練を妨害したと中国が非難する声明を出した。

 中国は30年にわたって軍拡を続け、海洋進出を図ってきた。米国防総省は年次報告書で核戦力を含めた中国の軍事力増強に強い警戒感を示している。

 中国を抑制するには米軍の存在が不可欠だ。だが、米軍が中国への圧力を強める背景に中国たたきを再選戦略に利用するトランプ政権の思惑があるとすれば危険だ。軍を政治利用すべきではない。

 2001年には海南島沖の南シナ海上空で中国軍の戦闘機と米軍の偵察機が接触し、米軍機が同島に不時着する事故が起きた。

 当時は交渉を通じて解決が図られたが、今は米中の信頼関係が失われている。同様の事態が起きれば一気に緊張がエスカレートしかねない。

 エスパー米国防長官は年内に訪中したいと表明している。中国も受け入れ、危機回避に向けた対話を進めるべき時だ。

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