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匿名の刃~SNS暴力考

息苦しい「超空気支配社会」 刃向かえば罰 リツイート・「いいね」可視化で圧力増幅

近現代史研究者の辻田真佐憲さん=東京都千代田区で2017年6月14日、渡部直樹撮影

 本来多様な意見を交換できるはずのSNSだが、特定の個人や集団、事象に対し、攻撃的な投稿が集中する事態がしばしば起きる。近現代史研究者の辻田真佐憲さん(36)は日本社会が空気に支配されていると分析した古典的名著「『空気』の研究」(山本七平著)をベースに「SNS空間も空気によって支配されており、同調圧力が働いている」と語る。どういうことだろうか。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】

空気が人々の意思決定を拘束する社会 「自粛警察」「マスク警察」も

 ――まず、日本社会が空気に支配されているというのはどういうことでしょうか。

 ◆1977年刊行の「『空気』の研究」(文芸春秋)で山本は、日本社会は「空気」に支配されており、空気が人々の意思決定を拘束する、つまり今で言う「同調圧力」として機能していると指摘します。そこには普通の刑罰とは関係なく、空気に刃向かうこと自体が罪だとする「抗空気罪」や「全体空気拘束主義」が存在すると表現しています。

 その一例として、山本は海軍の首脳らが無謀と考えていたのに出撃が決まった「戦艦大和」の特攻作戦を挙げています。ある中将は「全般の空気よりして、出撃は当然」と発言し、最高責任者は戦後、「当時ああせざるを得なかった」としか説明できないことに触れて「いざという時はすべてが空気に決定される」と結論づけています。

 私の研究でも…

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牧野宏美

2001年入社。広島支局、大阪社会部、東京社会部などを経て19年5月から統合デジタル取材センター。広島では平和報道、社会部では経済事件や裁判などを担当した。障害者や貧困の問題にも関心がある。温泉とミニシアター系の映画が好き。

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