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余録

観測機器がない時代の台風の規模は…

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 観測機器がない時代の台風の規模は文書の記録から推定するしかない。ある気象学者によれば、1828(文政11)年9月に有明海の高潮による大被害をもたらした台風は日本史上でも最大級の台風とみられる▲佐賀藩だけで死者1万人を出したこの台風は推定中心気圧900ヘクトパスカル、九州の西海上を北上して長崎をかすめて日本海へ抜けた。こう聞けば、史上最強クラスの台風への発達が心配された今回の台風10号とコースなどの類似に気づく▲10号が南の海上にある間から高潮や未曽有(みぞう)の強風への警戒が呼びかけられたのも、「文政の大風」と呼ばれた先の台風並みと見られたからか。実際には予想より海水温が低く、またコースも西寄りだったため、歴史的な大災害は免れた▲文政の大風は「シーボルト台風」と呼ばれている。この時座礁したオランダ船からシーボルトが持ち出そうとした地図などの禁制品が見つかり、関係者が捕縛されたからだ。そんな“2次被害”も含め、何かと話題の多い台風である▲側溝への転落や土砂災害による死者や安否不明者、またけが人多数が出た台風10号である。一時は九州全域で50万戸が停電したという。ライフライン復旧が遅れれば、熱中症やコロナ感染拡大など複合災害も心配な今シーズンである▲文政11年は少なくとも六つの台風が日本を襲うという台風の異常に多い年だった。今まで経験したことのない気象現象への身構えは崩すことなく、この先何とか平穏を祈りたい今年の台風シーズンである。

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