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社説

台風10号の被害 コロナ下の備え再点検を

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 大型で非常に強い台風10号は九州の西を北上し、広範囲に被害をもたらした。

 死者や多くのけが人が出たほか、大規模な停電が起きた。被害の把握と復旧を急ぐ必要がある。

 気象庁の当初の予測より勢力がやや弱まり、台風による特別警報の発表は見送られた。それでも、長崎市で最大瞬間風速59・4メートルを記録するなど猛威を振るった。

 九州、四国、中国で850万人以上に避難指示・勧告が出された。初めて避難所に逃げたという住民も少なくなかったようだ。

 気象庁が事前に何度も記者会見し、警戒を促したことが早めの避難につながったのは間違いない。

 一方で、避難所に住民が入りきれないケースも生じた。避難者が多かったことに加え、新型コロナウイルスの感染を広げないための「3密」防止策で、受け入れ人数が制限されていたためだ。

 避難を呼びかけておきながら、受け入れを断るのは道理に合わない。今後の災害に備え、各自治体はコロナ下での避難所対策を再点検する必要がある。

 その中で、独自の対策を講じた自治体もある。

 宮崎市はホームページで各地の避難所の収容状況をリアルタイムで伝え、満員に達した避難所以外へ逃げるよう住民に促した。

 熊本県人吉市では、7月の豪雨災害で避難所に身を寄せる人が今も大勢いる。避難者を分散しようと、約90キロ離れた熊本市に住民をバスで避難させた。

 昨年10月の台風19号災害でも避難所の課題は指摘された。東京都内の各地で避難所が定員を超え、住民が空きのある場所を求めて移動を重ねる事態となった。

 こうした反省から、国は自治体をまたぐ大規模な広域避難の新たな仕組みを検討している。

 問題の一つは、現行法では災害発生前に国の非常災害対策本部を設置できず、自治体への指示を出せないことにある。災害の恐れが高まった段階で国が調整を開始できるよう、法改正を急ぐべきだ。

 コロナ下で広域避難は一層欠かせなくなっている。国と自治体が連携して取り組むべき課題だ。

 地球温暖化の影響で、強力な台風が発生しやすくなった。行政の役割はより重要になっている。

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