京都の看板猫たちに学ぶ生き方 観光客が激減した町を訪ねてみると…

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河井寛次郎作の椅子で昼寝する、えきちゃん。中庭の物音が気になるよう=河井寛次郎記念館で2020年8月7日午前11時18分、菅沼舞撮影
河井寛次郎作の椅子で昼寝する、えきちゃん。中庭の物音が気になるよう=河井寛次郎記念館で2020年8月7日午前11時18分、菅沼舞撮影

 京都の観光地を歩くと猫を目にする機会が多い。寺社やお店、哲学の道などにも看板猫がいて、絶妙なソーシャルディスタンスを保ちつつ、訪れる人々に癒やしを与えている。そんな猫がいる三つの場所を訪ねてみた。

河井寛次郎の思いが

 近代陶芸の巨匠・河井寛次郎(1890~1966年)の旧宅、河井寛次郎記念館(京都市東山区)では、年齢不詳のえきちゃん(メス)が招き猫として活躍中だ。学芸員で寛次郎の孫の鷺珠江さんによると、河井寛次郎没後50年展の準備中に、同館にふらりと現れた。名前は同展の会場、美術館「えき」KYOTO(同市下京区)に由来する。近所をねぐらにしており、開館時間にやってきて夕方にはねぐらに戻る。日中は館内を巡回したり、昼寝をしたり。「展示物や所蔵品に爪を立てることもなくおとなしい」と鷺さんは語る。

 河井は動物好きだったという。飼い猫・熊助が行方不明になって落ち込む一人娘を「猫そのものの生命体は死なないから心配しない方がいいよ。またどこかで生まれているよ」と慰め、古材から「木彫猫」を作った。河井の言葉どおり、その後、河井家にも同館にも猫が絶えないという。えきちゃんはきっと、熊助の何代目かの生まれ変わりなのだろう。

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