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#やまゆり園事件は終わったか~福祉を問う

③虐待疑い「課題検証し新しい障害福祉を」 黒岩祐治・神奈川県知事

入所者19人が殺害された事件から4年を迎えた津久井やまゆり園に設けられた献花台で花を供える神奈川県の黒岩祐治知事=相模原市緑区で2020年7月26日午前9時56分、滝川大貴撮影

 「実は、やまゆり園の支援に問題があったという指摘は事件後の早い時期から聞いていた」。取材にこう語った黒岩祐治・神奈川県知事に真相を聞いた。19人の命が元職員によって奪われた津久井やまゆり園の設置者は神奈川県である。再発防止のために、支援現場の課題にどのように取り組むのか。その決意は。【上東麻子/統合デジタル取材センター】

 ――事件の判決では、植松聖死刑囚の犯行動機は「勤務経験を基礎として」と触れられました。どう受け止めますか。

 ◆痛ましい事件の直後、私も生々しい現場に立ち、「早く再生させなければ」と施設の再建を最優先で取り組んできました。なぜ事件が起きたのかという議論の中で、実は早い時期から、やまゆり園を運営する社会福祉法人・かながわ共同会の支援の在り方に問題があったという指摘がありました。しかし、当時は掘り下げて考えることはできませんでした。県には、こうした支援現場の問題を見過ごしてきた責任があります。事件の裁判が始まるのを前に、自ら検証しようという思いもあり、今年1月、外部識者による利用者支援検証委員会を設置したところ、20人に虐待の疑いがある身体拘束が行われていたことなどが指摘されました。そうした経緯もあり、判決は「やはりそうか」と感じました。支援現場と事件が、厳密にどうつながっていたのかは分かりませんが、支援の検証や改善を後回しにしてきたことを知事として反省しています。

 ――入所施設の中は外側からは見えにくく、虐待として可視化されなければ支援の質が問われる機会はありません。

 ◆私自身、かつてやまゆり園で毎日長時間車いすに拘束され、今は別の法人のグループホームで暮らす女性に会いに行きました。その方が拘束されることもなく、生き生きとした表情で暮らしている様子を見て、明らかに施設での支援のあり方が重要だと思わざるを得ませんでした。彼女は車いすに拘束されていた間、本来持っていた能力が封じ込められてしまったのではないでしょうか。ご本人の気持ちになった支援ができていなかったことをおわびしました。こうしたことから県は、…

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上東麻子

1996年毎日新聞入社。佐賀支局、西部本社、毎日小学生新聞、東京本社くらし医療部などをへて2020年から統合デジタル取材センター。障害福祉、精神医療、差別、性暴力、「境界」に関心がある。日本新聞協会賞を受賞したキャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班。共著に「強制不妊」(毎日新聞出版)。散歩とヨガ、ものづくりが好き。

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