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武田 砂鉄・評『ぼくは挑戦人(ちようせんじん)』ちゃんへん.・著
2020/9/8 18:04(最終更新 9/8 18:04)
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世界中を旅する中で自分を見つけていく
◆『ぼくは挑戦人(ちようせんじん)』ちゃんへん.・著 構成/木村元彦(集英社/税別1800円)
中学時代、外国籍の若い先生がいた。その存在に慣れていなかったヤンチャな中学生の群れは、時に「ガイジン!」などと騒いだ。群れの中に自分もいた。後々、問題視されたが、その時に与えてしまった先生の傷を想像するわけでもなく、問題が大きくなることを怖がっていた。
京都府宇治市、在日韓国・朝鮮人が多く住む通称「ウトロ地区」で生まれ、いじめ・差別を受けながら、ジャグリングと出会い、世界を旅する中で自分という存在を発見していく一冊を読みつつ、自分の中学時代の記憶を復活させた。復活させた、ということは、忘れていた、ということだ。
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