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 江戸時代に「夏狂言」という言葉があった。夏におこなう歌舞伎芝居のことだ。歌舞伎役者は1年契約だったが、なにしろ冷房のない時代の日本の夏である。この湿気の中で集まる客が少なく、そこで旧暦の6、7月を役者たちの休業期間とした。そのかわり値段を下げて無名の若手役者が舞台に立った。そこから著名になる役者もいたのである。

 この夏狂言で、怪談物として知られるようになったのが「東海道四谷怪談」である。初演は旧暦の1825年7月26日だから、まさに夏狂言期間の芝居である。以前からこの中で、毒をもられたお岩が泣く子をあやし、伊右衛門がそれをうるさがりながらお岩の着物と蚊帳を奪い取って質屋に持って行ってしまう虐待シーンがなんとも不快で、日本の夏の蒸し暑さをうまく使って不快感を頂点に導くことに成功している、と思っていた。お岩…

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