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社説

コンビニの24時間営業 経営の革新を促す警告だ

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 コンビニエンスストア本部が加盟店に24時間営業を押しつければ、独占禁止法に違反する可能性がある。そう警告する報告書を、公正取引委員会がまとめた。

 人手不足の中、コンビニは深夜勤務の従業員を確保するのが難しい。このため、営業時間の短縮を求める加盟店が増えている。公取が大手8社を対象に行った調査では、約7割が希望していた。

 しかし、見直しの動きは鈍い。この1年半で時短に踏み切った店舗は約4%に過ぎない。本部は24時間営業を続けたいのが本音だ。

 背景には、加盟店との契約方式がある。店舗の売上高が伸びるほど本部の収益も増える仕組みだ。本部は営業時間を長くして、売上高を増やそうとする。

 これに対し、多くの加盟店にとって深夜営業はデメリットも大きい。深夜帯は人件費などのコストがかさむ割に売上高が少なく、店舗の利益を押し下げがちだ。

 24時間営業に限らず、本部と加盟店で利害が対立するような契約や取引、店舗戦略は多い。

 一定地域に集中して出店する「ドミナント戦略」もその一つだ。本部にとっては商品配送の効率が高まるといった利点があるが、加盟店は顧客を奪い合う形になり、収益が悪化しかねない。

 加盟店は店舗運営のノウハウや商品を本部に依存している。その弱い立場につけ込んで、本部が加盟店に不利な取引を押しつけることは許されない。

 コンビニの経営は転機を迎えている。人口減少などで、2019年末の店舗数は初めて前年比で減少に転じた。

 成長期には本部と加盟店が利益を分け合えたが、売上高の伸び悩みと人件費の上昇に直面し、収益の基盤が揺らいでいる。

 一方で、公共料金の支払いや住民票の発行、災害時の物資供給拠点としての活用など、社会インフラとしての機能を期待されるようになった。公取が独禁法をちらつかせて改革を迫るのは、このような側面を考慮したためだろう。

 安定的に店舗を運営できる仕組みの再構築が急務だ。ITを活用した店舗の無人化や省力化も検討されている。こうした経営の革新で、新たなコンビニのあり方を模索してほしい。

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