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大阪都構想 自民は反対「財政試算に重大な欠陥」「住民サービス低下の恐れ」

大阪市議会で行われた都構想の制度案の採決=大阪市北区で2020年9月3日午後3時21分、加古信志撮影

 自民党・市民クラブ(川嶋広稔市議)=反対討論

 私は、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表し、議案第134号「特別区設置協定書の承認について」並びに議案第135号に、断固反対の立場から討論をさせていただきます。まず初めに、前回の2015年5月17日に、大都市法に基づいて行われた住民投票は、賛成69万4844票、反対70万5585票という結果で、大阪市の廃止、特別区の設置は否決されました。直接民主主義で示された、主権者たる市民の判断は大変重く、結論に従うことは政治家の責任であります。2015年の住民投票で一旦決着したにもかかわらず、都構想の再チャレンジが批判されることなく、「当たり前」のように受け止められていることに、大阪における、地方自治並びに民主主義の危機を感じています。

 それでは、「特別区設置協定書」に関して申し上げます。昨年の統一地方選挙並びに知事・市長のダブル選挙の結果を受け、法定協議会において、是々非々の立場で議論に臨んできました。第26回法定協議会において、「特別区素案の問題点及び修正提案について」を提出するほか、さまざまな提案をしました。しかし、それらの提案が一切取り入れられることなく、最終的に本議案である協定書が取りまとめられたところです。議論を重ねた結果、特別区制度案や特別区設置協定書に関しては、リスクや課題しか見つからず、さらに、公明党が賛成の立場に転じる際に提示された「4条件」によって、より問題の多い協定書になってしまいました。これらの問題に対して、わが会派では、本臨時会の代表質疑及び各常任委員会において、さまざまな観点から、市民の立場に立って真摯(しんし)に議論を行いました。それでは、反対理由として主な論点について6点申し上げます。

 1点目は、財政シミュレーションについてであります。将来の特別区が成り立つという唯一の根拠とされる財政シミュレーションに関して、重大な欠陥が明らかとなりました。改革効果額という名のもとに、「プール等の市民利用施設の廃止を前提とする17億円」と、コロナ禍以前に策定された「大阪メトロの中期経営計画を鵜呑(うの)みにした固定資産税と株主配当金の172億円」が恣意(しい)的に上乗せされていました。これらの額を差し引くと、特別区では収支不足が発生することになります。財政シミュレーションには、全特別区で「収支不足が発生しない」と記載されておりますが、このことは、明らかに市民を欺くものであります。プール等の市民利用施設の廃止など、サービス低下を前提としていることは、特別区になっても市民サービスが維持されると主張していることと明らかに矛盾するものであり、また、特別区という自治体の将来を大阪メトロという一企業の業績に命運を預けるかのような収支となっていることは問題であります。このコロナ禍において、大阪メトロの直近の決算では、今年度の業績さえ見通しが全くつかない、そんな状況です。まさに「大阪メトロ次第」、「大阪メトロ頼み」の特別区となっていることから、どう考えても財政運営が成り立つとは思えません。これら、発現の可能性が疑わしい効果額を無理に上乗せして作られた財政シミュレーションを根拠に、特別区の財政が成り立つと主張することにはあぜんとしました。

 2点目は、総務大臣の意見に対する市長の認識の問題についてであります。協定書に対する総務大臣の「特段の意見なし」という回答を踏まえて、市長から、特別区が地方財政制度の中で、基礎自治体として十分に機能する、財政的に成り立つことを総務省が認めているかのような発言がありました。平成27年5月12日の参議院総務委員会において、高市総務大臣は明確に、「財政効果については、この協定書案に含まれておりません」「総務大臣の意見の対象でもございません」と答弁されております。加えて、今回の「特段の意見なし」に合わせて出された総務大臣コメントでも、「特別区設置に関する判断をするものではなく」と明確に言われています。総務大臣が財政シミュレーションを含めて、将来の特別区の財政運営に責任を持たないにもかかわらず、本協定書によって特別区が成り立つということは、信用に値しません。合わせて、このような事実に基づかない誤った認識と主張で市民を惑わすことは到底許されるものではありません。

 3点目は、住民サービスが低下する恐れがあるという問題です。「特別区設置の際は住民サービスを維持する」と協定書には記載されていますが、いつまで住民サービスが維持されるのかただしたところ、制度的には、今の住民サービスが維持されるのは、特別区の設置時点、要は、2025年1月1日でしかないことが確認できました。都構想の大きな柱の一つが、「公選区長の下でのニア・イズ・ベターの実現」である以上、選挙で選ばれた区長・…

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