メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

激動の世界を読む

ASEANと南シナ海 対中国、悩ましい経済依存=熊本県立大理事長・白石隆

南シナ海で実施された軍事演習で燃料の補給を受ける米原子力空母=7月7日、米海軍提供・ロイター

 6月下旬開催のASEAN=1=首脳会議は、議長国ベトナムのグエン・スアン・フック首相の議長声明として、南シナ海の平和と安全、航行の自由、上空飛行の自由の確保に関するASEANの基本的立場を確認し、この海域における紛争回避を目的とする行動規範(COC)の交渉を早期に再開する必要があるとした。つまり、ASEANは今回の会議で「地域の安全保障問題」の国際化に一歩踏み込んだ立場をとった。

 これも一つの理由だろう、米国のポンペオ国務長官は2016年のオランダ・ハーグの仲裁裁判所判決=2=を支持し、南シナ海の領有権に関する中国の主張を「完全に違法」と否定した。また、米国は7月、2度にわたって空母2隻を南シナ海に派遣し、国務長官演説の翌日にはスプラトリー(南沙)諸島付近で「航行の自由」作戦を実施した。さらに先日は、南シナ海で軍事拠点建設に関わった中国企業に禁輸措置を科した。

 では、なぜ南シナ海がまた大きな焦点となったのか。10年代半ば以降、中国は南シナ海における人工島造成と軍事化を進めてきた。その一方、カンボジアを介して南シナ海問題に関するASEANの合意形成を邪魔し、フィリピンなどでは指導者交代の機会を捉え、経済協力を「てこ」に対中批判拡大を封じ込めようとしてきた。しかし、今年に入り、中国はまた露骨に攻撃的となった。4月にはスプラトリー諸島とパラセル(西沙)諸島に…

この記事は有料記事です。

残り2485文字(全文3071文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 医師と歯科医師24人を行政処分 厚労省発表

  2. 「やる気ないなら担当変える」河野行革相、放送規制改革で文化庁に発破

  3. 虫歯治療後に2歳死亡 福岡の小児歯科元院長を近く在宅起訴へ

  4. 検証プラス・新型コロナ 経済対策迷走①特別定額給付金 「一律10万円」で綱引き、遅れた給付

  5. 安倍政権が残したもの 私たちが大事「彼ら」は攻撃 オウム真理教報じた江川紹子さんが読む「カルト化社会」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです