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新政権に委ねられた汚染処理水処分 現場で見た絶対に取り除けないモノ

汚染水の処理に使われている多核種除去設備「ALPS」=福島県大熊町で2020年9月1日、小川昌宏撮影

 東京電力福島第1原発のタンクにたまり続けている汚染処理水について、政府が処分方法を決めあぐねている。有識者による政府の小委員会は2月、海洋放出の優位性を強調する報告書をまとめた。政府が結論を出そうとしている大詰めの段階で、安倍晋三首相が突然、辞任を表明した。新政権は、発足直後にも重大な決断を迫られている。

「次の政権で解決しなきゃならない」。2日、自民党総裁選への立候補を表明した記者会見で、菅義偉官房長官は福島第1原発の汚染処理水の処分方法について問われると、そう発言した。経済産業省幹部によると、政府は夏までに処分方法を決めようとしていた。しかし、関係団体への意見の聞き取りに時間がかかっている上、安倍首相の突然の辞任表明も重なり、決定時期が秋以降にずれ込む状況になっている。

 有識者で作る政府の小委員会は2月、海または大気への放出案を示しつつ、海洋放出の優位性を強調する報告書をまとめた。その背景には、タンクを増設できる空き地が残り少なくなっている東電の事情がある。

 8月20日までに設置されたタンクは1041基、たまった汚染処理水は東京ドームの容積に匹敵する122万立方メートルに達している。東電の計画では、残った空き地にめいっぱい増設しても、汚染処理水は2022年の夏ごろに満水の137万立方メートルになる見通しだ。東電は「それ以上、タンクを増設すれば、燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)の取り出しなど廃炉作業に支障をきたす」としている。

 海にせよ大気にせよ汚染処理水を処分することになれば、東電は装置を新たに設置しなければならない。原子力規制委員会の審査や工事の期間に1~2年かかるとみられ、それらを考慮すると、政府は「結論は期限ありきでない」としつつも、今夏が処分方法を決めるタイムリミットともくろんでいた。

 ある経産省幹部は焦りを隠さなかった。「首相の辞任は想定外だった。(処分方法の決定を)ちょっと見通せなくなった」【斎藤有香】

 タンクの汚染処理水の処分が決まっても、そのまま放出できるわけではない。…

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