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東日本大震災10年へ

震災被災地コロナ直撃 観光客激減、見守り制限で孤独死も

フェースシールドを着けて1人暮らしの高齢者宅を訪問する生活支援相談員=岩手県大槌町吉里吉里で2020年8月21日、中尾卓英撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大は、東日本大震災の被災地に負の影響を及ぼしている。旅行自粛で、岩手、宮城、福島3県への観光客は激減し、復興に欠かせない経済再生にダメージを与える。独居高齢者への見守り訪問活動が制限されることで、孤独死防止への課題も浮かぶ。

 この夏の売り上げがないと、次の夏までどうすればいいのか――。福島県いわき市の勿来(なこそ)海水浴場が見渡せる場所で「旅館 浦島」を営む稲田幹夫さん(62)は、ため息をつく。今夏、同海水浴場はコロナの影響で開設中止となった。

 例年、関東圏から常連客が訪れる夏場の宿泊者数は年間宿泊者数の7割近くを占める。それなのに今夏の宿泊者数は昨夏の1割程度だった。政府の旅行需要喚起策「Go Toトラベル」や、県の県民限定宿泊割引制度も意味をなさない。

 大震災で津波の被害を受けた同旅館は2カ月後に営業再開にこぎ着け、勿来海水浴場も2012年に再開された。原発事故の風評被害は今も続くが、「コロナ前」の客数は震災前の半分まで回復していたという。稲田さんは「お客が戻り始めたときに本当に困る。早くワクチンなど対処法ができて、お客が戻ってほしい」と語る。

 全国からの観光客をあてにする復興商店街も、コロナ禍に見舞われている。8月半ばの日曜日。宮城県女川町のテナント型商業施設「シーパルピア女川」は、観光客でにぎわっているようにみえた。だが、男性店主は「これでもコロナ前の7割。県内客は戻ってきたが、県外客がいない」とこぼす。

 店主の中には、月々のテナント賃料に負担を感じる人も少なくない。入居店舗は施設オープンから5年となる今年11月まで町から賃料の減免措置を受けられるが、以後は自己負担。青果店主の相原義勝さん(7…

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