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「質・量に変化生じないか」
バルブをひねると、パイプの先から透き通った水が勢いよく飛び出す。藤枝市内を流れる大井川から北に2キロの旧東海道沿いに蔵を構える青島酒造。専務兼杜氏(とうじ)の青島孝さん(56)が両手で水をすくいながら、「口当たりが柔らかい。この水が日本酒の味を決める」と目を細めた。パイプは井戸につながり、地下60メートルから大井川の伏流水を絶え間なくくみ上げている。
青島酒造は創業150年を超える老舗の酒蔵。県を代表する日本酒の一つ、喜久酔で知られる。1年の造りは750石(一升瓶に換算すると、約7万5000本)。小規模だが、米づくりから仕込みまで酒造りの全工程で大井川の表流水や伏流水を使うことにこだわってきた。青島さんは「酒蔵にとって水質、水量ともに安定した井戸水は宝であり、命の源だ」と強調、顔をしかめた。
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