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余録

ひび割れてもいないのに中の茶が漏れるのは…

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 ひび割れてもいないのに中の茶が漏れるのは落語の「はてなの茶碗(ちゃわん)」である。道具の目利(めき)きが茶屋の茶碗を手に取ってしきりに首をかしげたので、とんでもない名品かと思った男が茶屋から高値で買い取った▲目利きが首をかしげたのは茶が漏れたからだが、そう分かってもこの話が評判となり、茶碗はついに1000両の値がつく。評判がお金に変わる昨今のネット市場のようだが、こちらはネットの評判もさんざんの「はてなの口座」だ▲NTTドコモの電子マネー決済サービス「ドコモ口座」で提携する銀行口座から不正に預金が引き出されていたという。預金者にすれば、知らないうちに自分の口座からどんどんお金が漏れ出していたわけだから悪夢のような話である▲不正な預金引き出しはゆうちょ銀行や地方銀行などで次々に判明し、きのう正午までに66口座、約1800万円の被害が確認された。何者かが預金者の名前、口座番号、暗証番号などを用いてドコモ口座を設け、預金を移したらしい▲誰しも驚くのは、通信事業大手が金融サービスで露呈した脇の甘さである。むろんあってはならない預金の「漏れ」を許した銀行の責任も大きい。「2段階認証」など十分なセキュリティー対策がとられていれば防げた不正だからだ▲被害は通帳などを確認しないと分からないだけに、被害額はさらに増える恐れがある。コロナ禍で日本社会のIT化の遅れが露呈するさなか、またも不安を呼び起こした電子マネー決済の「はてな」である。

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