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社説

販売預託商法の被害 繰り返さぬ仕組み早急に

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 大規模な消費者被害が繰り返されてきた販売預託商法について、原則禁止すべきだとの報告書を消費者庁の有識者会議がまとめた。

 きっかけとなったのは、磁気健康グッズを扱ったジャパンライフの事件である。

 被害者は約7000人、被害総額は約2000億円に上る。消費者庁が4回の業務停止命令を出したが、被害拡大を防げなかった。警視庁などが捜査を進めている。

 販売預託商法は、顧客に販売した商品をそのまま預かり、第三者へのレンタル料や運用益からの配当を約束するものだ。契約期間が満了すれば、商品を買い戻すと持ちかけるケースもある。

 業者にとっては、商品販売の形を取ることで、通常の投資よりも手軽に資金を集めやすくなる。

 しかし、実際には商品が存在しないか、あっても少量しかない。新たな顧客への販売代金を、別の顧客の配当に回す自転車操業になり、最終的に破綻を免れない。

 配当がある間は不審に思わず、利益を期待した負い目から声を上げにくいのが、被害の特徴だ。

 社会問題化した時には業者が経営破綻しており、被害回復は困難になる。知人らを勧誘した結果、人間関係が壊れることもある。

 有識者会議の報告書は「反社会性のある行為」と記した。抑止効果のある刑罰や、契約を無効とする措置を求めたのは当然だろう。

 この商法は1980年代前半の豊田商事事件で問題視され、預託法が制定された。

 だが、対象商品を指定して規制する制度であるうえ、行政が業者を把握する登録制などの仕組みも設けられなかった。

 このため、新たな手口による被害がその後も相次いだ。和牛のオーナーを募った安愚楽(あぐら)牧場事件では、約7万3000人が総額約4200億円の被害に遭った。

 抜本的な対策に消極的だった国の責任は重い。消費者庁はようやく法整備に乗り出すが、遅すぎたと言わざるを得ない。

 実効性のある行政処分や、消費者団体による事業差し止め手続きなど、被害拡大を防止する取り組みを急がなければならない。

 被害の実態を速やかに把握し、消費者に注意を呼びかける体制の充実も欠かせない。

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