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経済観測

毎日新聞経済面に連日連載の経済コラム。経営者や経済評論家らが独自の視点で、経済の今とこれからを展望する。

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私たちは何を遺せるか=経営共創基盤CEO・冨山和彦

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 私がこのコラムに寄稿するようになって10年余り。日本と世界はリーマン・ショック後の不況、東日本大震災と原発事故、そして今回の新型コロナウイルスの大流行と、破壊的な危機にたびたび遭遇してきた。加えてデジタル革命とグローバル化が生み出す破壊的イノベーションは、私たちの生活を飛躍的に便利にする半面で産業構造の大変化による格差拡大と社会的分断を促し、世界で政治的不安定状況を生み出している。

 あの頃、バブル経済の後遺症である不良債権問題と金融セクターの危機的状態からようやく脱却し、産業再生機構の責任者として私はそこで役に立てたことを誇りに感じていたし、日本経済は安定的な成長軌道に戻るものと思っていた。しかし、その期待は見事に裏切られ、さらに少子高齢化問題も重なって、日本経済はいろいろな困難に翻弄(ほんろう)されながらこの10年余りを過ごしてきた。

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