ベネズエラで国会議員選巡り対立激化 背後に米中対立

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国会議員選のボイコットを支持し、政権への抗議デモを続けるベネズエラの野党支持者ら=カラカスで2020年9月9日、AP
国会議員選のボイコットを支持し、政権への抗議デモを続けるベネズエラの野党支持者ら=カラカスで2020年9月9日、AP

 南米ベネズエラで12月に予定される国会(1院制)議員選を巡り、与野党の対立が激化している。多数を占める野党連合は、マドゥロ政権側が不正を行う可能性があるとしてボイコットを表明。一方、強行する構えの政府・与党は一部野党の「取り込み」に躍起だ。米国が野党指導者グアイド国会議長を支援する一方、中国はマドゥロ大統領を支持しており、米中はベネズエラを巡っても対立を深めている。

 独裁色を強めるマドゥロ大統領は、自身が唯一影響下に置いていない国家機関とされる国会の掌握を進めてきた。中央選管にあたる全国選挙評議会の委員の任命権は本来は国会にあるが、マドゥロ政権に近い最高裁は今年6月、委員の任命を強行。その後、同評議会は12月6日の国会議員選投開票を決めた。

 さらに最高裁は、グアイド氏の出身政党の大衆意志党など主要野党の幹部に政権側に寝返った議員を任命し、党を事実上「乗っ取る」動きも見せている。政権側のこうした姿勢に反発し、野党連合の27政党は8月上旬、「公正な選挙が期待できない」として選挙不参加を表明した。

 一方、マドゥロ政権は8月下旬以降、拘束中の野党議員ら政治犯100人以上の恩赦を進め、懐柔も図る。野党議員に出馬を促し、与野党が参加する「公正な選挙」をアピールする思惑とみられる。

 実際、過去2回大統領選に出馬したカプリレス元ミランダ州知事(野党・正義第一党)は9月に入り、自身が所属する野党側のボイコット方針に反し、選挙戦参加を表明した。カプリレス氏は「戦わなければ状況は一層困難になる」と述べ、これまで支えてきたグアイド氏を一転して非難。マドゥロ政権による野党分断工作が功を奏した形だ。ただ、カプリレス氏は政治活動が制限されており、実際は自らに近い人物に立候補を促すとみられる。

 こうした中、米財務省は…

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