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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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離島で語り継がれる三陸津波 出身の若者「口承記録し次世代に」 宮城

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気仙沼大島の住民から過去の災害や地元に伝わる津波民話について聞き取りしている小野寺佑紀さん=宮城県気仙沼市大島で、神内亜実撮影
気仙沼大島の住民から過去の災害や地元に伝わる津波民話について聞き取りしている小野寺佑紀さん=宮城県気仙沼市大島で、神内亜実撮影

 漁業の島として知られる宮城県気仙沼市の離島・大島は、東日本大震災の津波で一時孤立し、島民30人以上が犠牲となった。だが、それ以前の明治や昭和の時代にも津波が襲った歴史があり、屋号や地名、民話の形で数多く残されていた。先人が語り継ごうとしたものは――。島出身の若者が、その思いをくみ取ろうとしている。【神内亜実】

 島中心部の高台にある「大島漁協文庫」。本棚には津波で水につかり、修復作業をした明治以降の貴重な漁業資料が並ぶ。神奈川大大学院で民俗学を研究する小野寺佑紀さん(29)はぼろぼろになった本の背表紙を見つめて言った。「過去から学ぶことは多いはず。たとえ多くの資料が流されても、口承は今も人々の中に生きている。それを掘り起こし、次の世代につなぐのが自分の役割だと思う」

 大島で生まれ、震災当時は仙台の美術大生だった。卒業後の2013年、島の中学の美術教師に。島民の日常会話で語られる震災への思いを、いつか島を離れる子供たちに伝えるためにも、記録したいと思うようになった。放課後になると、学校裏にある仮設住宅を1軒ずつ回った。生徒の祖父母にも話を聞き、いつしかその数は100人を超えた。

 その中で気づかされたのは…

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