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恋ふらむ鳥は

/100 澤田瞳子 画 村田涼平

「ほらほら、こちらに近づいてきますよ。額田(ぬかた)どのはいつも衣の色が華美に過ぎるのですから、こういう時はなるべく暗がりに身をひそめないと」

「――以後、注意いたします」

 降り積もる雪に足を取られるのを避けたと見えて、善光(ぜんこう)と四比(しひ)福夫(ふくぶ)は自分たちの足跡を踏みしめるようにして戻ってゆく。衛士たちに開門を拒まれたのがよほど悔しいのか、お互い顔を紅潮させて何事か言い合っており、自分たち以外の足跡が雪に刻まれているのに気づく気配はなかった。

 それにしても額田が難波(なにわ)津(づ)に出向いた際、善光は余(よ)自進(じしん)を筆頭とする百済(くだら)遺臣たちが自分の指示を聞かぬとしきりに嘆いていた。それにもかかわらず四比福夫を自邸に連れ帰ろうとするとは、百済遺臣も決して全員が余自進に従っているわけではないわけか。

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