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大井川の恵み

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リニアの課題/中 1日に地下水2000トン使用 養鰻業者 うまさ育む伏流水 /静岡

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大井川の伏流水をたっぷりと使った養鰻池=静岡県焼津市で、古川幸奈撮影
大井川の伏流水をたっぷりと使った養鰻池=静岡県焼津市で、古川幸奈撮影

「今の環境変われば廃業」

 「地下水がなくなったら……何十年も続いた会社が終わってしまうかもしれない」。1955年に創業した焼津市の養鰻(ようまん)業、「共水」の永井光彦所長(41)がポツリとこぼした。目の前のハウス養鰻池は大井川の伏流水がたっぷりと注がれている。「うなぎの味に影響も出るだろうからね」

 豊富な地下水が湧き出る大井川下流域の焼津市や吉田町などは古くからうなぎの養殖で栄えてきた。流域の住民にとって大井川の水は、生活や産業の欠かせない「命の水」だという。だが、リニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区の工事によって、大井川流域の地下水量の減少などが懸念されている。

 共水が生産する共水うなぎは5年間の四季を1年半に凝縮し、うなぎに経験させる「疑似四季養殖」という独自の方法で育てられ、天然ものに負けない甘い香りと食べ応えのある肉質を誇る。スタッフが24時間体制で品質を管理。約30店舗にしか出荷しない希少性から「幻のうなぎ」とも呼ばれている。

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